《部門めぐり#04》あらゆるロスをなくす 生産技術・企画室
「シリーズ部門めぐり」では、一貫生産における様々な仕事をご紹介しています。第4弾は生産技術・企画室です。坂上室長と谷脇さんにインタビューしました。
▶生産技術・企画室のミッションは何ですか?
あらゆるロスをなくし、利益率を高めることです。材料の仕入れにはじまり、加工し、納品するまでの一連の流れでのあらゆるロスを見つけ、改善していきます。
▶ロスというと、どのようなものがあるのでしょうか?
たとえば「運ぶロス」が挙げられます。当社には4つ工場がありますが、本社工場で加工した後、第2工場へ運んで加工し、また本社へ戻して加工するという流れになっている製品があったとします。運ぶいうのはなんの付加価値も生んでいませんから、ロスなわけです。
▶こういう場合どのように改善するのでしょうか?
設備や工具の配備状況によって発生していることが多いので、配備状況を整理したり、新たに治具を作ったりして、工場間を行き来しなくてすむよう、現場に提案し、製造工程をスムーズに変えていきます。
▶製造工程の流れの悪さは、どうやって発見するのですか?
やはり、現場のみなさんが気づくのが早いです。例えば、あるポイントで仕掛在庫がたまりやすいというようなことがサインなのですが、とくに熟練の方々の気づきはとても鋭いですね。なので、日頃から現場と会話をして、声を逃さないようにしています。
▶各工程に仕掛在庫があること自体もロスなのですね。
理想は仕掛在庫ゼロ、つまり加工するタイミングでちょうど仕掛品が届くという状態ですから、それを目指して全体の流れが滞ることのないように改善をしていっています。
▶在庫というと、スタート地点である仕入れも在庫管理において重要だと思いますが、どのような工夫をしていますか?
仕事を受注すると、まず各工程で必要な材料の量が割り出しますが、やはり在庫を抱えないよう、必要最小限の量で仕入先に発注をします。ただ、仕入れの最小単位は2トンであることが多いので、発注のタイミングなど、工夫が必要ですし、どうしてもという時は、仕入先と交渉して、もう少し小さい単位でお願いすることもあります。
▶この部門は、2014年に坂上室長が起ち上げられたものですが、7年前と比べて、どんな変化がありましたか?
当時は、非稼働を無くさなければ、という意識が低く、改善提案も少なかったですし、工場の基本である「5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)」もまだまだでした。5Sができていないと、工具や材料を「探すロス」が出ますから5Sは重要なんです。また、仕入れに関しても、現在は3社の相見積もりを原則としていますが、相見積もりの実施基準も整備してきました。こういった基本的なことから徹底して、7年前と比べるとずいぶん意識が変わってきたと思います。
▶生産技術・企画室をどのように成長させていきたいですか?
現場からどんな些細な事でも相談してもらえる部門になりたいですね。それから、改善提案をした時に現場に受入れてもらって、スムーズに実行できるように、しっかりコミュニケーションしていきたいです。現場の皆さんも改善したいという思いの反面、これまで工夫してきたやり方を再び変えるというのは大変です。そういう時、この人の提案ならトライしてみよう、と動いてもらえる信頼関係を築いていきたいですね。
▶現場との信頼関係のもと、あらゆるロスをなくす改善がなされていくのですね。ありがとうございました。
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